転職後の「お金の空白期間」に要注意!?
42歳で夢の海外移住を果たしたしたものの、就職した先のプロジェクトが会わずに10ヶ月で退社。
契約は2年だっっため、早期退職となります。
従って、契約書通り10,000MYR(当時レートで約35万円)を払っての離職でした。
そこまでして退職したかったのは、単純にプロジェクトのミスマッチです。
会社自体は良かったし上司は理解があって良い方でしたが、プロジェクトの顧客層が自分に合わず、耳鳴りや仕事行きたくない病発症で意味を感じられなくなり、一ヶ月分の給料を払ってでも辞めたかったわけです。
社内異動は入社から一年以上経過していないとできませんが、上司がいくつか見つけてくれました。
しかし24時間シフトだったため、お断りしました。
これは他の空きが出るのを待っているのは時間の無駄、と判断し退職を決意。
実際退職を経験して感じたことは、入るよりも辞める時の方が色々大変。
外国人として海外で働いていることを強く実感しました。
そして何より大変で不安に感じたのは、誰にでも必ず発生する「無収入期間」です。
今回は、私自身の実体験をもとに、マレーシア転職の退職〜再就職までのリアルな資金計画と乗り切り方をまとめました。
これは、渡航前から知っておくことで、働いている間のやりくりが変わってくると思います。
ぜひ参考にしてくださいね。
タックスクリアランスとは?退職時の必須手続き
やらないと犯罪?退職時タックスクリアランスの超基本
一番わかりやすいイメージは、日本で言う「確定申告」です。
日本では、会社員であると会社が「年末調整」としてやってくれますよね。
だからとても楽だし、確定申告をやったことない人は多いはずです。
非居住者(住民票を除籍する)として渡航する場合、出国前に必ずやらなくてはいけませんが、何だか難しそうだし面倒そう・・・というイメージはなかなか消えません。
そんな確定申告を海外でやらなくてはいけないわけですから、まずこれが最初のハードル。
マレーシアのタックスクリアランスは通常3月1日からですが、退職する場合は退職時に行うことが必須。
転職先が決まっている場合、会社がやってくれるところもあるようですが、自分でやる企業もたくさんありますので、知っておくに越したことはありません。
というか、知らないといつの間にか犯罪者扱いになってしまう恐れがあるので、本当に気を付けないといけません。

Ms.Malay
え?犯罪者扱い?そんな大げさな!と思われるかもしれませんが、これは本当に気を付けてください。
タックスクリアランスは確定申告同様、収入に対して税金をちゃんと納めているか、過不足はないか?を税務署がチェックします。
多い場合はもちろん還付されますし、足りなければ払わねばなりません。
もし足りないのに出国してしまい、気付かず支払いがされなかった場合、悪意はなくとも脱税とみなされます。
日本でも脱税したらどうなりますか?罪を課せられますよね。
マレーシアでも同じです。
呑気にひょこひょこ戻ってきても、入国拒否となる可能性は非常に高いです。
また、出国時に問われて出られないこともあるようなので、面倒だのなんだの言ってられません。必ず行います。
給与が止まる?タックスクリアランスの基本
私は9月30日に退職したので、ここではその日付を元に記載していきます。
外国人が退職する際、雇用主はLHDN(税務署)へ CP21フォーム(Tax Clearance) を提出します。
これは日本でいう「退職時の源泉徴収精算」のような手続きで、完了するまで 最終給与やボーナスは一時保留 になります。つまり、退職後すぐに給与が入るとは限らない!
日本では、退職時最後の給与支給日には必ず振り込みがされますが、マレーシアでは違います。
マレーシアでは、どこの企業でも必ず「ノーティスピリオド」と言うものが設けられており、これは自分がいつをもって退職するのか?を、会社に伝える期限です。
日本では一ヶ月前までに申告が多いかと思いますが、マレーシア現地採用では2ヶ月または3ヶ月が多いです。
私の会社は3ヶ月前までに通知する必要があったため、9月30日に辞めるとなったら6月30日に言わなくてはいけません。ではこれを破って7月30日に辞めまーす!ってできるのかと言うと、できますが残り2ヶ月分の給与を会社にこちらが払わなければなりません。
私の給与は約10,000MYRだったので、7月30に辞めたらペナルティと合わせて給与3ヶ月分(100万円以上)払うことになります。
流石にそれはできないため、3ヶ月は頑張りました 笑
最終出社は9月19日。
日本の感覚でいったら、9月分の給与が支給日に入ることがわかっているので、最終出社日以降は何となくのんびり過ごせますが、マレーシアではこの9月分が当初の支給日にはもらえません。
ではいつ貰えるのか?
それはタックスクリアランスが終了したことがLHDNより連絡が入り、HRへ伝えた後です。
じゃあ、それっていつ終わるの?となりますが、これがハッキリわかりません。だから困るのです。
お役所仕事も担当者によってペースやルールが変わるのがこの国のデフォルト。
日本のように、◯◯は申請から5営業日で終わります!などと明言できるルールは存在しません。
あくまでも目安となる日数は存在しますが、当てになりません。
なので、周囲の人に聞いたり、私のように体験談をブログに書いている人の記事を参考にしたりしている人がほとんどです。自分のことは自分でやらねばなりません。
完了までの平均期間
とは言っても、やはりある程度の目安日数は把握していないと、どこまで待てばいいのか判断がつきませんよね。
ここでは、一般的に言われている期間と、実際に私が完了までにかかった日数をお伝えいたします。
参照:LHDN公式サイト掲載資料
手続きステップ | 内容 | 自分がやったこと | 目安期間 | 実際にかかった 日数 |
---|---|---|---|---|
① HRがCP21 フォーム提出 | HRが退職一ヶ月前までに税務署(LHDN)へ報告 | HRからのメールに従い、必要書類を提出。パスポート表紙含む全ページコピー、出入国記録を記載した用紙(指定フォームではない) | 登録完了までの期間はHR担当者のペースにより異なるが、登録しなくてはいけない期限があるため、それまでには必ず終える必要がある。 | ①HRから必要書類提出依頼: 8月21日 ②登録完了報告と手続きに必要な書類がもらえた日: 9月10日 |
② LHDN審査 (税務署チェック) | 医療費・保険・控除書類を確認し、納税額を計算 | 必要書類(医療費レシートなど控除に関する書面)を紙で直接提出 | 約2〜4週間 | LHDNへ提出: 9月12日 (オンライン不可) |
③ MyTaxで ステータス確認 | LHDN審査結果が反映。「Tax Due」または「ゼロ」表示 | 毎週MyTaxにログインして進捗確認 (私は毎日やった) | 約2〜4週間 | 提出から14営業日経過した10月7日に税務署窓口訪問 |
④ HRが結果を確認し最終給与振込 | 承認メールを受領後、最終給与を送金 | HRへ完了確認と給与振込時期を問い合わせ | 企業により支給日は異なる | 最終給与受け取り日: 10月10日 |
⑤税務署からの還付金振込 | 手続きが完了したという報告メールが届く | メールに記載されている振込までの目安を確認。私の場合は30日。 | 約4〜6週間 | 還付金振込日: 10月9日 |
合計期間 | 退職日から最終給与受取、過払い金振込まで | – | 約2〜6週間 | 10日間 |
提出後は必ず、左下のようにLHDNの受付印が押された画像を撮影して保管してください。
紙やデータでの控えはもらえません!!
次の会社への移行期間とビザの関係
EPキャンセルが先、再申請が後
マレーシアでは、前職のEP(就労ビザ)がキャンセルされないと新会社がEPを発行できません。
通常キャンセル手続きに1〜2週間、さらに新EP承認までに2〜3週間。
つまり、最低でも1か月以上の空白期間が発生します。
私の場合、早期退職でしたが幸いにもリリースレターを発行してもらえたため、もし次の職が決まっていればマレーシアを出ずに、ビザの切り替えを待つだけで良かったのです。
この場合も、多少の待機時間は発生し、どこにも行けないので空白期間となります。
切り替え時に注意!パスポートの有効期限
私は次の職が決まっていなかったため、会社より退職日の9月30日から1ヶ月後の10月30日までは、今の就労ビザで滞在してもいいよと言われていました。
この間に次が見つかれば何ら問題はありません。
ところが、私はパスポートの有効期限が一年未満となってしまったというオマケがあったため、一度出国することにしたのです。
転職時にパスポート有効期限が少なくとも14ヶ月以上無いとビザの切り替えができません。
EP発行機関であるMDEC公式ページにはover12monthと記載がありますが、14ヶ月はないと申請期間も含めた場合少し不安が残ります。
そういったこともあり、最低14ヶ月と言っているものと思われます。実際私が日本から来る際、残日数は14ヶ月ギリギリでした。今思うと、日本で事情を説明した上で更新してからの方がよかったです。
私には、このパスポート残日数少ない問題があったので、最終的に仕事が増えました。
辞めるにあたり、パスポートの期限がどのくらいあるか?まで気を配らなくてはなりません。
いかに自国で暮らすのが楽チンなのか?と、自分が海外生活を送っていることを実感したひとコマです。
本件については、非常に面倒であり、状況次第では出国できない&IDが長期間所持できない(だから国内旅行もできない)空白期間が生まれる可能性があったため、別記事で詳しく書きます。
参照:MDEC公式ページ
無収入期間に備える「つなぎ資金」はいくら必要?
退職から再就職までの間、給与が一時的に止まる「空白期間」に備えて、最低2か月分の生活費+予備費 を確保しておくのが安心です。3ヶ月分あると安心感が増します。
ここでは、現地採用の多くが暮らすクアラルンプール(KL)中心部 で計算してみました。
郊外では、この表より家賃が500MYRー1,000MYRほど安くなります。
クアラルンプール(Kuala Lumpur)中心部の生活費目安(1MYR=35円換算)
項目 | 月額(MYR) | 備考 |
---|---|---|
家賃+光熱費 | 2,200〜2,500 (約77,000〜87,500円) | 都市中心部で日本人が安心して住めるスタジオ/1ベッドルーム想定 |
食費・日用品 | 1,500〜1,800 (約52,500〜63,000円) | 外食が多い場合は+500MYR程度 |
通信・交通 | 250〜400 (約8,750〜14,000円) | Grab・MRT・携帯通信含む Wi-Fiを契約するかどうかで変動 |
医療・保険 | 250〜400 (約8,750〜14,000円) | 会社の保険は使えない為、個人で入れる保険必須。おすすめはSaftyWingのノマド保険。 |
雑費・交際費 | 400〜600 (約14,000〜21,000円) | カフェ・外出・交際など |
合計 | 約4,600〜6,000MYR (約161,000〜210,000円/月) | 生活レベルにより変動。仕送りや学費がある場合はプラス3,000~4,000MYR程度。 |
どうでしょう?
あれ?マレーシア生活って意外とお金かかる・・・そう思いませんか?
日本の半分だの3/1だのっていうのは、もう過去のお話。
リンギットはどんどん上がっていて、都市で暮らすのであれば日本とさほど変わりません。
ただし、固定費が安く済むのでそれは本当に助かります。だから工夫次第って感じですが、これくらいはかかります。
私は郊外のIT都市、Cyberjayaという場所に住んでいますので、家賃がKLより安く1,300MYR/1Bed Roomです。
しかし、ここは政府が計画して作った街。大学や外資企業が多く、外国人もたくさん暮らしています。
そのため、固定費以外はあまり安くありません。KLのように選択肢が多くない分、寄り道で無駄使いはなくなりますが、ローカル店などを探さない限り割と外食は高め。都市部と同じです。
2か月滞在を想定すると 約32〜42万円+予備費 が必要。
仕送り・学費を含める場合は 最大60万円前後 が目安になるかと思います。
ちなみに私は独身ではありますが、母が高齢者向け住宅(東京23区内)に住んでおり、その支払いがあるため毎月最低3,000MYRを仕送りしています。
これは欠かせないため、そう考えると60万円でも少し不安が残ります。
3か月分の資金と段取りがあれば安心してマレーシア転職できる
冒頭で最低2ヶ月分と書きましたが、これは転職活動がスムーズに行った場合です。
個人的には3ヶ月はあるといいと思います。次が決まっても、いつビザが承認されるかは分りません。
2025年に入り、日本人のビザ取得に時間がかかっている印象があります。
転職で4ヶ月承認されなかった事例が身近であったり、私の友人も2ヶ月近く国外で無職のまま待ちました。
観光ビザで先に入国して働こう、なんてことは絶対にしてはいけません。
そのようなことを言う会社であれば辞退したほうがいいです。これは絶対にやらないようにしてください。
企業によっては、ビザが承認されるまで日本でリモートOKというところもありますので、転職エージェントや企業担当者に必ず確認しましょう。
マレーシア転職は、現地の物価が日本よりも低く見えるため「なんとかなる」と思われがちですが、
実際には、退職から再就職までの空白期間(約1〜2か月)で思わぬ出費が発生します。
状況によっては、一度国外へ出国しないといけないケースもあり、その場合は航空券代、現地での滞在費なども発生します。
私はタイへ出国したため、旅費が発生しました。
日本から行くより安いとは言え、収入がない中での渡航費用です。
だから両替だって、少しでもレートの良い所で替えたいもの。一円だって無駄にしたくありません。
Wiseは持っていて改めて良さを痛感しました。
とくにタックスクリアランスの完了待ち期間や、Employment Pass(就労ビザ)の切り替え中は、
給与が一時的に止まる・保険が切れるなど、経済的にも心理的にも不安が大きくなりがちです。
タイへ出国する前の日は、何だか不安で頭痛が治らずよく眠れませんでした。
こういった精神的な不安は身体の不調にも影響します。
だから退職後の金銭的余裕を持っておくことはとても大事です。
金銭的な余裕は、心の余裕でもあります。
たとえ次の仕事が決まっていたとしても、ビザの承認が遅れたり、想定外の滞在費が発生したりと、海外転職は「計画通りにいかない」ことの連続です。
そんなとき、事前の準備が自分を守ってくれます。
私はタイでの滞在中、手持ち資金をWise(ワイズ)で管理していました。
日本円からマレーシアリンギット、タイバーツへの両替も数分で完了し、レートの良い両替屋さんを探す手間行く手間もも不要です。良いレートで両替できたのは本当に助かりました。
現地で急に資金が必要になっても、スマホひとつで動かせる安心感は大きいです。
Wise(ワイズ)について知る
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そして、もう一つ欠かせないのが保険。私は退職前からSafetyWing(セーフティウィング)に加入しています。
就労ビザが切り替わるまでの間、会社の保険は使えなくなります。
日本では非居住者なので、国民健康保険もありません。無保険は怖すぎます。
観光ビザでマレーシアや他国へ滞在している期間でも、医療保険を継続できるSafetyWingは、まさに海外転職者の味方です。渡航後、日本の一時帰国にも使えます。
海外では、ちょっとしたことで体調を崩しがち。何があるか分かりません。保険は必ず入りましょう。
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海外転職では、「お金」「健康」「安心」の3つをどう守るかが何より大切。
WiseとSafetyWingは、そのすべてを支えてくれる実用的なツールです。
不安定な時期こそ、自分を守る準備を。
そして安心して、次のステージへ進みましょう。
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